確定申告を税理士に頼む?自分でやるべき?|メリット・デメリットを解説

法人を経営している方は税理士と顧問契約を結んで委託していることが多いとは思いますが、個人事業主の方は自分で確定申告を行っている人も多いでしょう。

税理士に確定申告を頼んだ方が良いか悩んでいる方も多いと思います。

そこで、本記事では税理士に委託した場合の確定申告にかかる費用がどれくらいかかるのか、税理士に委託する場合と自分で確定申告をする場合のメリット・デメリットをまとめています。

自分で確定申告を行うのか税理士に委託するのかの判断材料の一つになると思いますので参考にしてください。

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目次

確定申告では何をするのか

商売自分で始めた場合は、1月1日から12月31日までの利益などを税務署に報告して利益がある場合は所得税を納税する必要があります

また、住民税についても税務署に確定申告をすることで、データが市区町村にいくことで市区町村がそのデータを基に住民税を計算していきます。
これが確定申告といわれているものになります。
これはやらないわけにはいきません。

個人事業主が確定申告書を作成するには決算書というものも作成する必要があります。
決算書を作成するには基になる領収書や請求書を適正に処理していかなければなりません。
日々の積み重ねで毎日や毎週定期的に処理していれば良いのですが、ついつい後回しになってしまうと、確定申告の期間中に大変な目にあってしまいます。
それこそ本業の仕事ができなくなってしまうことさえあります。

確定申告は、所得税を納めるためにやることにはなるのですが、それ以外にも銀行から事業資金を借りる場合にも確定申告書の提出が必要になりますし、住宅ローンを借りるときにも必要になってくるので適切に処理されていないと信用度が落ちてしまいますので注意しましょう。

今はパソコンにインストールして使う会計ソフトやクラウド会計などがあるのでご自分でやられている方も昔よりは手間は減っているかもしれませんが、それでもある程度の知識が無いとしっかりとした処理がされているかはわからないものです。

スマホで写真撮るだけで会計ソフトと連動して処理してくれるというものもありますが、そのソフトが正しい処理になっているかの確認は必要になってきます。

現在人気の会計ソフトは次のようなものがあります。

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確定申告を自分でやる場合のメリット

確定申告を自分でやる場合のメリットとはどういったものがあるのかと聞かれたら大抵の方は費用がかからないことをあげる人が多いでしょう。

それでは自分で確定申告する場合のメリットを紹介します。

低コスト(費用が安く済む)

自分で経理や確定申告の作業を行うので、税理士に依頼するよりも安くなることがほとんどでしょう。

ただし、会計ソフトの導入は必要になりますのでソフトの費用は掛かってきます。

多くの方が利用し始めているクラウド会計ですが、安い場合で月額約1,000円くらいで利用できます。
ただし、ある程度の機能やサポートが欲しい場合は月額約2,000円はかかると思ってください。

会計ソフトを利用している場合で次の事項がクリアできている場合は今後もご自身でやることで費用は圧倒的に抑えることが可能になります。

  • クラウド会計ソフトを使っている
  • 電子申告を行っている
  • 貸借対照表を付けている
  • 青色申告を行っている。

このようなケースでは恐らく青色申告特別控除で650,000円を利用していることになると思います。
電子申告を利用していない場合でも550,000円の控除を受けられます。

クラウド会計ソフトを使っているけど上記項目をクリアしていない場合は100,000円の控除だけになります。

この控除とは簡単に言うとお金の支出が無い経費みたいなものです。

利益から要件によって上記控除額を控除することが可能になるものです。

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これらの会計ソフトを利用すれば、65万円控除・55万円控除のハードルが下がります。

10万円控除しかしていない、白色申告であるといった場合は税理士に依頼することも検討してください。

仮に課税対象の所得が300万円の場合、所得税と住民税で約50万円程度の納税になります。
このときに10万円控除しかしていなかったとして、税理士に依頼すると大半は65万円控除の申告をしてくれるはずです。
そうすると所得税と住民税は約40万円程度になります。

税理士に依頼することで10万円程度の節税になります。

税理士報酬が20万円だった場合は、節税になったことを考慮すると実質10万円の支払いで税理士に頼むことができたことになります。

10万円で確定申告業務をやってくれるということに価値を感じた場合は税理士に依頼することも考えましょう。

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経営に必要な資金の流れを把握することができる

確定申告を自分で行うということは、日々のお金の流れを記帳(記録)していく必要があります。
売上などの収入や仕入、経費などの支出を自分で記帳(記録)することで、自分のビジネスのお金の流れや何にいくら使っているのかというのが把握することが可能となります。

自分で経理処理をすることで経営感覚が身に付くので、どの程度の利益が出ているのかということも把握しやすくなりますし、常に利益のことを意識するというビジネスに必要な知識や思考が身に付きやすくなります。

これは、何気にものすごく大事なことになりますので、意外と大きなメリットになります。

確定申告を自分でやる場合のデメリット

メリットは費用(コスト)が安く済むというのが目に見えるメリットになることは解説しましたが、それではデメリットはどういったものがあるのか紹介していきます。

とにかく細かくて面倒である

クラウド会計ソフトなどの発達によって、簿記の知識がなくても決算書や確定申告書を作成することが可能となってきていますが、それでも、まだまだ面倒なことが多いです。
会計ソフトの自動化などで便利にはなってきていますが、それでも、ソフトの処理が適正なのかを確認しないといけませんし、スマホで領収書を撮影したり、会計ソフトに入力したり、書類を整理したりとさまざまなことをやらないといけないので結構大変な作業になります。

その結果、本業のことを考える時間も減ってしまうということもありえます。

経費の判断が難しい

確定申告書は売上から仕入や経費を引いて所得を算出する必要があります。
このときの経費というものが結構やっかいなものになります。

経費のことだけで1冊の本になるくらいです。

自分では経費になると思っているものも、実は経費としては認められないものであるということが非常に多くありますし、一般の方にはなかなか理解できにくいグレーな部分もあります。

ひとつの例が自宅で仕事をしている場合に、水道光熱費は経費になるのか、賃貸住宅の場合は家賃が経費になるのかというのは、なかなかわかりにくい部分になりますし、飲食代が経費になるケースとならないケースがあったりします。
ものすごくざっくりいうと、友人と飲食した場合の飲食代は経費にならないけど、取引先との飲食代は経費になるということをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。

この経費になるならないは一般の方にはわかりにくいケースが非常にあります。
賃貸住宅の家賃などは事業に使用している割合に応じて一部だけ経費になるということもあります。
このような判断が自分一人ではなかなか難しく、結果として経費に認められないものを経費にしてしまっていたり、逆に経費になるものも経費にしていないということもあり得ます。

税務調査が入る可能性が増える?

税理士に委託することで税務署としてもある程度はしっかりとした申告書を作成してくれていると考えます。
これは税理士は脱税のお手伝いはしないということになりますし、経費の件でも見たように、さまざまな事例から適正な処理をすることになりますので、基本的に信頼度は高まります。

一方で、個人で確定申告を行う場合は、税理士のチェックも無く、申告漏れも起きやすいので税務署からの指摘リスクが上がってしまうのは覚悟しなくてはいけません。
税務署は申告者が税務知識があるかどうかは判断できませんので、自分でやられている場合は税務調査の可能性は税理士に依頼している場合よりも高くなりやすいでしょう。

節税アドバイスがもらえない

税制は毎年のように変わっています。
その税制を一般の人が理解することは相当大変なことになりますので、有利な税制を知らなかったために税金を多く収めていたということもあり得ます。

消費税を納めている人は、消費税の申告方法によっては有利不利があるのですが(詳細は省略します)、それを知らない、または有利不利の検討の仕方がわからないまま、不利な申告をしていることもあります。

節税という面では税理士に依頼したから必ず税金が安くなるとは限りませんので注意しましょう。

税理士に頼む場合のメリット

一方、税理士に頼む場合のメリットを紹介します。

確定申告時の事務作業を減らすことができる

確定申告は基本的に申告期間が1ヶ月しかないので、その間に前年の処理をすべて行わなければなりません。
この申告の事務作業は非常に時間がかかる作業になりますが、税理士にまかせることで事務作業を大幅に減少することが可能になることもあります。

税理士に依頼して事務作業が減った時間で本業のことを考えてもいいですし、その時間を休息に充てることも可能です。

お金で時間を買うということになりますね。

青色申告の特典をしっかりと利用できる

青色申告の場合は、65万円控除という経費と似たものがあると解説しましたが、これ以外にも30万円未満の資産を購入した場合は、支出した年に全額経費にできる制度があったりなどいくつかの特典がありますが、これらの制度を自分で確定申告をやっている場合に利用できていない人もいます。

そのような場合は、税理士に依頼することで複式簿記により記帳をし、決算書として損益計算書だけでなく貸借対照表も作成してもらえます。

簿記に自信がない場合や会計ソフトの利用が不安な方は専門家に依頼すると安心かつ楽に青色申告で確定申告をすることができます。

確定申告の時期に安心していられる

個人事業主として自分で確定申告を経験しているかたは、確定申告の大変さがわかると思います。
領収書をかき集めて、売上の集計をして、通帳のデータを会計ソフトに入れて、さらに、今はクレジットカードのデータも会計ソフトに入れて、そして、会計ソフトのデータが合ってるか確認して、減価償却費というものの計算もしてと、とにかくやることが多いです。
そのため、確定申告が始まる前に日々データ入力をしていたとしても、実際に確定申告の期間になると記帳がうまくできているのか心配になってくる人も多いでしょう。

簿記に自信がない場合や会計ソフトの利用が不安な方は落ち着かない日々が続くこともあります。

税理士に任せることで記帳処理の確認もしてくれますし、費用はかかりますが記帳処理もやってくれます。
必要な書類さえ整っていれば税理士に全部まかせちゃうことも可能です。

その結果、確定申告の時期に不安になることもなく安心して日々を過ごすことができ、本業に集中することが可能になります。

お金で安心を買うということになりますね。

正確に申告することができるので税務調査の可能性も低くなる

税務署から税務調査の連絡が来てものすごく不安になった、という方もいると思います。
税務調査になると税務署の人が職場にきて書類や帳簿の確認をして適正に申告しているかを細かく見ていきます。
その結果、間違いがあれば修正申告をすることになります

なかにはよくわからないまま、言われた通りに修正申告をしたという人もいます。

確定申告を税理士に依頼すると、税理士は可能な限り正確な確定申告書の作成をすることになりますので間違いも少なくなります。
また、税理士は税務調査で指摘されやすいことを事前に説明してくれて、適正な処理を行ってくれます。

さらに、税務調査が入ったときでも税理士に立ち会ってもらうことで、税務署の担当者と折衝してくれます。
税務署の指摘事項の中にはグレーなものもあり、その指摘について税理士は税務署と話をして納税者が不利にならないように可能な限り交渉をしてくれます。
それによって余計な修正の指摘から逃れるメリットもあります。

経営相談や節税のアドバイスが受けられる

税理士は一般の人が知らないような税制も知っているので、経費計上していなかったものも場合によっては経費として処理できることもあります。

また、税制は毎年変わるので、今までは対応にならなかったものも今年は節税になる税制が使えるといったことも指摘してくれることがあります。

さらに、個人事業主の方は、経営について相談したいこともあると思います。その時に、事業の中身を知っている税理士に相談することが可能になります。

ただし、節税策がなかったということもありますし、売上をあげるテクニックなどは基本的に税理士に期待しないほうが良いでしょう。
税金のプロではありますが、経営コンサルタント専門みたいな人とは異なりますのでその点は理解しておきましょう。

もちろん、資金面でのコンサルタントは手伝ってくれますので、そういったことはどんどん相談していきましょう。

税理士は自分で確定申告をする上で、一般の人が知り得ない節税テクニックを駆使してくれます。結果として納める税金を少なくしてくれまるのです。

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税理士に頼む場合のデメリット

一方、次のようなデメリットもあります。

経営の資金感覚がつかめず損益の把握もしていない

伝票やレシートを税理士に全部丸投げして、日々の記帳入力から確定申告作業までをすべて税理士に丸投げしている方も多いでしょう。

これは費用は掛かってしまいますが自分でやることが少ないので楽に毎年の申告ができるというメリットもありますが、そのメリットがデメリットにもなってしまいます。

それは自分に経理知識がいつになっても身につかないままということです。

経理知識がある程度あることで、どの程度の売上が必要かということも自分で把握することもできますので、この点は一長一短あるところになります。

費用がかかる

すべて丸投げの場合などは事業規模にもよりますが、個人事業主の方でもある程度の費用がかかってきてしまいます。

税理士という専門家に依頼することになりますし、税理士もそれなりに時間をかけて申告書を作成することになるので、どうしてもそれなりの費用はかかってしまいます。

税理士費用については事業規模や関与状況によって金額は変わってきます。

また、ある一定のクラウド会計は対応していないという税理士もいますので、費用面と会計ソフトのサポートなどもご自身に合った税理士を選ぶようにしましょう。

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まとめ

確定申告は、自分でやるのはそれなりの知識と時間が必要になってきます。
事業的にまだお金を掛けたくないのであれば、青色申告会なども利用して可能な限りご自身で申告することをおすすめします。

ただし、正確な書類が作成できていないかもしれないという不安をお持ちになる方もいらっしゃるでしょう。

そこで、筆者としては最初のうちはご自身でなんとか頑張ってもらって、ひと通りの流れを把握しておいて、事業が流れに乗ったら税理士に依頼するというパターンや会計ソフトにご自身で入力して税理士に入力したものをチェックしてもらうというパターンが良いと考えます。

ここで注意しておきたいのが、ご自身で会計ソフトに入力しても、領収書と会計ソフトのチェック(つけ合せ)もしてもらいたいという場合には、思っているよりも税理士費用は安くならないこともあります。
これは、やはりチェックをするということはそれなりに時間を要する作業になるので、その分、費用も高くなってしまいます。

こういった費用面での不安を無くすには前もって税理士と費用面やどの範囲まで依頼するのかということをしっかりと話し合っておくことをおすすめします。

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