【5分で理解】簡略版:節税の3つの種類と正しい選び方
*法人税等の税率は簡易的に30%として計算しています。
結論から言うと
企業の節税には3つの種類があります。種類によってキャッシュに与える影響が正反対なので、正しく理解して選択することが極めて重要です。
節税の3つの種類
タイプ1:キャッシュアウト型(リスクが高い)
- 特徴:支出を伴う(車購入、保険加入など)
- 税金:減る
- 現金:もっと減る(税率30%で削減>実際の支出)
- 例:利益500万円で400万円の車を買う → 税金は120万円削減されるが、現金は280万円減少
- 推奨度:❌ 避けるべき(本当に必要な投資を除く)
タイプ2:キャッシュアウトなし型(推奨)
- 特徴:支出を伴わない(税額控除、未払費用計上など)
- 税金:減る
- 現金:減らない ⭐⭐⭐⭐⭐
- 例:給与を2.5%引き上げ → 37.5万円の節税効果(キャッシュ流出なし)
- 推奨度:⭐⭐⭐⭐⭐ 全企業が最優先で実施
タイプ3:課税繰延べ型(要注意)
- 特徴:支出を伴い、将来課税される(法人保険、セーフティ共済)
- 税金:今は減る、将来同額納税
- 現金:今は減る、将来も支払う
- 本質:単なる「税金の先送り」(出口戦略がない場合)
- 推奨度:⚠️ 出口戦略が明確な場合のみ検討
正しい優先順位
【優先順位1】タイプ2:キャッシュアウトなし型
⭐⭐⭐⭐⭐ 全企業が絶対実施すべき
実施施策:
├─ 税額控除(賃上げ促進税制:給与2.5%以上で最大30%控除)
├─ 未払費用の計上(給与、社保、光熱費など)
├─ 不良資産処分(売れない在庫、回収不能売掛金)
└─ 貸倒引当金の計上
【優先順位2】タイプ1で「本当に必要な投資」のみ
⭐⭐⭐⭐ キャッシュ余裕があるときのみ
実施施策:
├─ 設備投資(生産性向上が条件)
├─ 決算賞与(従業員還元が目的)
└─ 福利厚生の充実
【優先順位3】タイプ3:課税繰延べ型
⚠️ 出口戦略を明確にした上でのみ検討
【絶対に避ける】その他のタイプ1
☗ 節税目的の不要な資産購入
最も重要なポイント
「税金が減った=お金が増えた」ではない
これが多くの企業が陥る誤解です。タイプ1の節税を繰り返すと、最終的に黒字倒産や銀行融資の却下につながります。
納税は「損」ではなく「企業の信用力を示す広告宣伝費」です。
銀行は、赤字決算よりも適度に利益が出ている企業に融資します。
【詳細版】法人税の節税とキャッシュフロー最大化
この記事で分かること
- ✅ 節税には3つの種類があり、種類によって企業のキャッシュへの影響が大きく異なることを理解できる
- ✅ 「税金は減るのに現金が減る」という矛盾的な節税の罠を認識できる
- ✅ 銀行融資や黒字倒産とつながる仕組みを理解できる
- ✅ キャッシュを失わずに税負担を軽減する正しい節税策を習得できる
- ✅ 2025年度の最新税制制度を活用した実践的な年間計画を立案できる
- ✅ 納税が企業の信用力を高める重要な要素であることを認識できる
はじめに:「利益が出ているのにお金がない」という矛盾の原因
多くの経営者が共通の悩みに直面しています。「毎期、利益が出ているはずなのに、なぜか会社の通帳にお金が残っていない」
この現象の根本的な原因は、単純にして深刻な誤解にあります。それは、「すべての節税策が同じ効果をもたらす」という根本的な勘違いです。実際には、節税策には複数の種類があり、その種類によって企業のキャッシュに与える影響は大きく異なるのです。
本記事では、詳細な解説を通じて、経営者が知るべき「本当のお金を残す節税戦略」を具体的に解説します。単なる税金の削減ではなく、企業の体力(キャッシュ)を最大限に守り、同時に銀行からの信用力を高める戦略です。
第1章:節税の「種類」を分類する――3つのカテゴリーを理解すること
1-1. 節税を「キャッシュの流れ」で分類する
経営者が押さえるべき最も重要な分類軸は、「支出を伴うか伴わないか」という、企業の現金に直接的に影響する視点です。
図解:節税の3つの種類
節税対策の3つのカテゴリー
【タイプ1】キャッシュアウト型(リスク高)
└─ 支出を伴う
不要な資産購入、保険加入
結果:税金↓ でも現金↓↓
【タイプ2】キャッシュアウトなし型(推奨)
└─ 支出を伴わない
税額控除、不良資産処分
結果:現金を守りながら税負担を軽減
【タイプ3】課税繰延べ型(要注意)
└─ 支出を伴い、将来課税される
法人保険、セーフティ共済
結果:今の税金↓ でも将来同額納税
1-2. 3つの節税タイプの定義と特徴
1行要約:キャッシュ流出の有無で、節税の質が180度変わります。
| 分類 | タイプ1:キャッシュアウト型 | タイプ2:キャッシュアウトなし型 | タイプ3:課税繰延べ型 |
|---|---|---|---|
| 具体例 | 車購入、備品購入 | 税額控除、不良資産処分 | 法人保険、セーフティ共済 |
| 現在のキャッシュ | ▼ 大幅減少 | → ほぼ変わらず | ▼ 減少 |
| 現在の税金 | △ 削減 | △ 削減 | △ 削減 |
| 推奨度 | ☓ 避けるべき | ⭐⭐⭐⭐⭐ 最優先 | ⚠️ 慎重に検討 |
1-3. 「節税効果」と「キャッシュ効果」は別物
「税金が減った=お金が増えた」ではない
この単純にして重大な誤解が、多くの企業を資金繰り難に陥らせています。
ケース:利益500万円が見込まれたシナリオ
| 項目 | 何もしない場合 | ベンツ購入(400万円) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 利益 | 500万円 | 500万円 | 0円 |
| 車購入費 | 0円 | ▲400万円 | ▲400万円 |
| 課税所得 | 500万円 | 100万円 | – |
| 法人税(30%) | ▲150万円 | ▲30万円 | +120万円削減 |
| 最終的な手元資金 | 350万円 | 70万円 | ▼280万円減少 |
この表の衝撃的な現実:
- 確かに税金は120万円削減された
- しかし、会社に残る現金は280万円も少なくなった
この矛盾が、「節税をしているはずなのにお金がない」という現象の正体です。
【重要】各節税策のキャッシュ流出有無の整理
1行要約:この表を見れば、やるべき節税とやってはいけない節税が一目瞭然です。
| 節税策の種類 | 具体的な施策 | キャッシュ流出 | 推奨度 | 実施難度 |
|---|---|---|---|---|
| タイプ2① | 税額控除(賃上げ促進税制) | ✅ なし | ⭐⭐⭐⭐⭐ | 簡単 |
| タイプ2② | 不良在庫の廃棄処分 | ⚠️ 最小限 | ⭐⭐⭐⭐⭐ | 中程度 |
| タイプ2③ | 貸倒金の処理 | ✅ なし | ⭐⭐⭐⭐⭐ | 中程度 |
| タイプ2④ | 未払費用の計上 | ✅ なし | ⭐⭐⭐⭐⭐ | 簡単 |
| タイプ1① | 必要な設備投資 | ❌ あり | ⭐⭐⭐⭐ | 中程度 |
| タイプ1② | 決算賞与の支給 | ❌ あり | ⭐⭐⭐⭐ | 中程度 |
| タイプ3① | 法人保険加入 | ❌ あり | ⚠️ 要注意 | 簡単 |
| タイプ3② | セーフティ共済 | ❌ あり | ⚠️ 要注意 | 簡単 |
| タイプ1③ | 不要な車購入 | ❌ 大幅 | ☗ 避ける | 簡単 |
| タイプ1④ | 過度な役員報酬 | ❌ 大幅 | ☗ 避ける | 簡単 |
表の読み方:キャッシュ流出が「✅なし」の施策が最優先。「❌あり」でも「⭐⭐⭐⭐」以上は事業に必要なら検討可能。
※詳細な制度適用要件は、必ず税理士に確認してください。
第2章:キャッシュアウト型のリスク――「税金は減るが、現金はもっと減る」
2-1. 代表的なリスクが高い節税策
① 不要な車・消耗品購入
「30万円未満なら即座に経費化できる」という法制度の便利さが罠です。
経営者の思考の罠:
「100万円の税金が出そうだから、
不要なパソコンを数台買って減らそう」
正しい思考:
「本当に今、それが事業に必要か?
税金30万円削減のために、
90万円の現金を失う価値があるのか?」
② 過度な役員報酬・賞与の増額
一見すると節税に見えますが、法人と個人を合算すると悪化することが多くあります。
役員報酬を100万円増額した場合:
■ 法人の削減税金:30万円
■ 役員個人の負担増加:69万円(所得税・住民税・社保)
■ 結果:両者合算でマイナス
2-2. 「黒字倒産」との関係性
タイプ1の節税を繰り返していくと、最終的に黒字倒産に陥ります。
黒字倒産とは:会計上は利益が出ているのに、手元に現金がなく支払いできず倒産する現象
黒字倒産の主要原因
- 売掛金の回収遅延
- 過剰な在庫保有
- 無理な設備投資
- 借入金の返済圧力
- 「節税のための不要な支出」(本記事の主題)
第5番目が最も悪質である理由は、経営判断を誤りやすい行為だからです。自覚のないまま、毎期毎期「節税のための支出」を繰り返していると、ある時点で「あと3ヶ月分の給与が払えない」という事態に直面することになります。
2-3. 銀行融資への決定的な悪影響
「お金が減る節税」を繰り返すと、金融機関の評価が大幅に低下します。
■ 過度な節税が続いている決算書
├─ 利益が過度に圧縮(赤字or極小利益)
└─ 「この会社は儲かっていない」という判断
■ 銀行からの結論
└─ 融資申請却下
【相談事例】赤字決算が続いて融資を断られたA社の事例
相談内容:
製造業のA社は、毎期「税金を払いたくない」という一心で、利益が出そうになるたびに不要な機械を購入していました。その結果、3期連続で赤字決算となり、銀行に追加融資を申請したところ、「利益を出せていない企業には融資できない」と却下されてしまいました。
何が起きたのか:
- 決算書上の利益:赤字
- 実際には営業活動でキャッシュは出ていた
- しかし銀行には「儲かっていない会社」と判定された
- その後、本当に資金が必要になった時点で、融資が得られず、経営危機に直面
- 結果として、キャッシュ不足により、営業活動に支障が生じた
教訓:節税目的の支出は、短期的には税金は減りますが、長期的には企業の信用力を毀損し、いざという時の融資を断られるリスクが高くなります。
ここまでのまとめ:節税には「3つの種類」がある
ここまでで理解すべき3つのポイント:
1. 節税には3つの種類があり、種類によって企業のキャッシュに与える影響が正反対
2. タイプ1(キャッシュアウト型)の節税は、税金は減るが、それ以上に現金が減るリスクがある
3. 過度な節税は黒字倒産や銀行融資の却下につながる
次章からは、企業を本当に強くする節税策を解説します。これは、追加のキャッシュアウトを伴わずに実行できるもので、全経営者が最優先で取り組むべき対策です。
第3章:キャッシュアウトなし型の推奨節税―「お金を失わずに税負担を軽減」
ここからが、企業を本当に強くする節税策です。追加のキャッシュアウトを伴わずに実行できるこのタイプが最優先です。
3-1. 税額控除(最強の節税)――「経費ではなく、税金そのものを割引」
タイプ2の最高峰が「税額控除」です。経費を増やして利益を圧縮するのではなく、計算された法人税額から直接差し引くという、次元が異なる節税策です。
経費控除 vs. 税額控除の根本的な違い
【従来の経費控除】(リスクがあることも多い)
利益500万円 → 不要な車400万円を経費化
課税所得100万円 → × 30% → 法人税30万円
結果:現金は400万円消える
【最強の税額控除】
課税所得500万円 → × 30% → 法人税150万円
→ 37.5万円を直接控除
実際に支払う税金:112.5万円
結果:現金は一切減らない!
3-2. 2025年度に拡充された「賃上げ促進税制」の詳細
1行要約:中小企業が給与を2.5%以上引き上げると、最大30%の税額控除が受けられます。
※本制度は2025年度税制改正により延長され、2027年3月末まで適用されています。
最新の賃上げ促進税制(2025年度版)の詳細比較表
| 企業分類 | 基本控除率 | 給与増加要件 | 教育訓練費上乗せ | 最大合計控除率 |
|---|---|---|---|---|
| 中小企業A | 15% | 給与2.5%以上 | +5% | 最大30% |
| 中小企業B | 10% | 給与4.0%以上 | +5% | 最大25% |
| 大企業 | 10% | 給与7.0%以上 | +5% | 最大25% |
実例:給与総額5,000万円の中小企業が2.5%昇給+教育訓練費実施した場合
給与増加額:5,000万円 × 2.5% = 125万円
税額控除:125万円 × 30% = 37.5万円
⇒ キャッシュ流出なし!
⇒ 赤字でも5年間の繰越控除が可能!
※詳細な適用要件は税理士に確認してください。
3-3. 不良在庫・不良債権の処理
1行要約:売れない在庫や回収不能な売掛金を処理するだけで、ノーコストで節税効果が得られます。
【不良在庫の廃棄】
売れない在庫100万円の廃棄
廃棄費用:5万円(支払い必須)
帳簿上の損失:100万円(損金化)
→ 節税効果:100万円 × 30% = 30万円
→ キャッシュ流出は5万円のみ
【回収不能な売掛金の貸倒処理】
売上100万円が計上されたが回収不能
貸倒処理で取り戻す節税効果:30万円
→ 払い過ぎた税金を回収できる
貸倒処理するには法人税法上規定があるので該当した場合にのみ経費処理できます。
3-4. 未払費用の正確な計上
1行要約:決算日までにサービスを受けているが支払いが翌期になる費用を計上するだけで、大幅な節税効果が得られます。
未払費用に該当する主要項目(簡易版)
| 項目 | 年間節税効果の目安 | 漏れやすさ | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 給与(締め日以降) | 大幅 | ⭐⭐⭐ 非常に高い | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 社会保険料(会社負担) | 大幅 | ⭐⭐ 高い | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 電気・ガス・水道 | 中程度 | ⭐⭐ 高い | ⭐⭐⭐⭐ |
| 専門家報酬(税理士等) | 中程度 | ⭐⭐⭐ 非常に高い | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
実例:従業員30名、平均月給30万円の企業
■ 給与の未払計上:節税効果 約135万円
■ 社会保険料の未払計上:節税効果 約36.5万円
■ 合計:約171万円の節税(キャッシュ流出なし)
第4章:課税繰延べ型の留意点――「今の税負担は将来に繰り延べられる」
タイプ3は、「永久的な節税」ではなく「課税の先送り」です。今の税負担を減らす代わりに、将来同額以上を支払うことになるため、出口戦略が明確でない場合は慎重な検討が必要です。
4-1. 法人保険(課税繰延べ型)の仕組み
短期的な視点では節税に見えますが、長期的には税負担の総額は変わりません。
■ 現在:掛金120万円を支払い
→ 税金36万円削減
→ 現金120万円支出
■ 将来:返戻金105万円を受け取り
→ 雑収入として課税
→ 税金31.5万円納付
■ 結果:キャッシュ重視の会社では慎重な検討が必要
本来の「保障」が目的であれば有効ですが、節税を主目的とした加入は避けるべきです。
4-2. 経営セーフティ共済の特性
将来の退職金支給などの出口戦略がある場合は有効ですが、それ以外では単なる課税の繰延べです。
■ 5年間加入時
掛金:240万円/年 × 5年 = 1,200万円
削減税金:72万円/年 × 5年 = 360万円
■ 解約時
返戻金:1,200万円
支払う税金:360万円
■ 結論:出口戦略がない場合は節税になっていない
理想的な出口戦略とは、役員の退職金を支払う時期に合わせて解約することです。そうすることで、返戻金と退職金による損金を相殺できます。

第5章:戦略的支出を伴う「投資型」節税
キャッシュに余裕がある場合のみ検討すべき対策です。重要な大前提:「節税のための支出」ではなく「会社の成長に寄与する支出」であることが絶対条件
5-1. 決算賞与の支給――「従業員還元と節税の両立」
決算賞与は、厳格な要件を満たせば、強力な節税効果があります。
決算賞与が経費化される3つの必須条件
①決算日までに全従業員に支給額を個別通知
②決算日の翌日から1ヶ月以内に現金支給
③決算期末までに損金処理
実例:従業員30名、決算賞与総額300万円
利益500万円 → 決算賞与300万円を経費化
課税所得200万円 → × 30% → 法人税60万円
節税効果:90万円
⇒ 従業員還元と同時に健全な節税を実現
5-2. 設備投資(生産性向上が前提)
2025年度も「中小企業経営強化税制」が継続しています。
※本制度は2025年度税制改正により延長され、2027年3月末まで適用されています。
【例】機械500万円投資
初年度に全額費用化可能
節税効果:500万円 × 30% = 150万円
⇒ ただし、事業に本当に必要な投資に限定
第6章:納税に対する意識改革――「信用力の源泉」としての納税
最も重要な認識:納税は「取られるお金」ではなく、「企業の信用力を示す広告宣伝費」です。
6-1. 銀行・取引先が決算書から読み取る納税額の意味
納税額500万円の決算書を見た金融機関は:
✓ 事業が順調である(納税=利益あり)
✓ 安心して融資できる企業(誠実性)
✓ 経営基盤が堅い(安定性)
⇒ 融資判断:前向き
6-2. 経営判断の正しい順序
【正しい順序】
経営判断 → 経済活動 → 税務処理
【危険な順序】
税務処理(節税)ありきで経営判断を歪める
「節税のために要らない車を買う」「節税のために保険に入る」という判断は、経営をどんどん歪ませます。
第7章:実行優先順位と年間計画
7-1. 正しい節税の優先順位
【最優先】タイプ2:キャッシュアウトなし型
⭐⭐⭐⭐⭐ 全企業が最優先で実施
実施すべき施策:
├─ 税額控除(賃上げ促進税制)
├─ 不良在庫・不良債権の処理
├─ 未払費用の正確な計上
└─ 貸倒引当金の計上
【第2優先】タイプ1で「本当に必要な投資」のみ
⭐⭐⭐⭐ キャッシュ余裕があるときのみ
実施可能な施策:
├─ 設備投資(生産性向上)
├─ 決算賞与(従業員還元)
└─ 福利厚生の充実
【慎重に検討】タイプ3:課税繰延べ型
⚠️ 出口戦略を明確にした上でのみ
【絶対に避ける】その他のタイプ1
☗ 節税目的の不要な資産購入など
7-2. 月別の実行チェックリスト(3月決算企業の場合)
| 時期 | 実施項目 | 期限 |
|---|---|---|
| 1月~2月 | 前期決算対応・不良資産の確認 | 2月末 |
| 3月 | 決算賞与通知、不良資産処分、未払費用計上 | 3月31日 |
| 4月 | 決算賞与支給、決算書作成 | 4月30日 |
| 5月~6月 | 税務申告、税額控除申請 | 申告期限 |
※所得800万円以下の中小企業は、2027年3月末まで15%の軽減税率が適用されます(2025年度税制改正により延長)。
おわりに:「納税と成長の最適バランス」が強い会社を作る
経営者が覚えるべき2つの黄金則
黄金則①:「節税のための支出」は避け、「成長のための支出」を優先
事業の成長に寄与するかどうかを最優先の判断基準としてください。
黄金則②:「利益を出し、納税し、適切にお金を残す」という正のサイクルを回す
この黄金則こそが、長期的に見て最大のキャッシュを残し、銀行からの信用を勝ち取り、盤石な財務基盤を築く唯一の道です。
最適な節税策は、会社の規模や業種、成長段階によって異なる「オーダーメイド」のものです。税制は毎年改正されるため、自社の経営戦略を深く理解した税理士や会計士を真のパートナーとし、計画的に対策を講じることが不可欠です。
今こそ、目先の数字に惑わされることなく、「会社にしっかりとお金を残す」という王道戦略を実行する時です。

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