年末調整、期限ギリギリでも間に合う!いつまでに何を準備すればOK?

年末が近づいてくると、「年末調整」の提出に追われる時期がやってきます。しかし、忙しい中で何を準備すればよいか分からず、困ることも多いですよね。この記事では、年末調整の提出期限や必要書類、控除を最大限に活用する方法を分かりやすく解説します。ギリギリでも間に合う準備方法を知り、安心して年末調整を行いましょう!


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目次

1. 年末調整の期限はいつまで?基本をおさえて準備をスタート!

1.年末調整の提出期限はいつ?会社の締切と税務署への提出期限を解説

年末調整の一般的なスケジュールは以下の通りですが、会社ごとに締切が異なるため、必ず会社に確認しましょう。

項目締切目安
社員が書類を提出する締切12月上旬~中旬
会社が年末調整を完了する期限12月末日
税務署に法定調書を提出する期限翌年1月31日

ギリギリ対応の優先順位

  1. 書類の準備:保険料控除証明書や扶養控除申告書を早急に揃える。
  2. 家族情報の確認:扶養親族の収入や年齢を確認。
  3. 会社の締切を再確認:会社の指示に従い、期限厳守。

どうしても間に合わずに会社で年末調整をしてもらえなかった、後から追加分を受け付けてもらえなかった場合は、確定申告をすることで還付金を受け取ることもできるので、面倒ですが確定申告をやって還付金を受け取りましょう。


2. 年末調整で提出する書類一覧|漏れを防ぐためのチェックリスト

扶養控除申告書の記入ポイントと注意点

扶養控除申告書の記入ポイントと注意点を分かりやすく解説!

年末調整の際に提出する「扶養控除等申告書」は、扶養控除や配偶者控除、配偶者特別控除を適用するために必要な重要な書類です。記入漏れやミスがあると控除を受けられない場合もあるため、正確に記入することが大切です。この記事では、記入のポイントと注意点を分かりやすく説明します!


1. 扶養控除等申告書の目的

扶養控除等申告書は、扶養親族や配偶者の状況を申告するための書類です。この申告に基づいて、所得税や住民税が控除され、結果的に税負担が軽減されます。


2. 記入のポイント

① 扶養親族の情報を正確に記入
  • 氏名、フリガナ、生年月日、マイナンバーを正確に記載。
  • 扶養親族の収入が48万円以下(給与収入103万円以下)であることを確認。
② 配偶者控除・特別控除の条件を確認
  • 配偶者の所得が48万円以下(給与収入103万円以下)の場合は「配偶者控除」。
  • 配偶者の所得が48万円超~133万円以下(給与収入103万円超~約201万円以下)の場合は「配偶者特別控除」。

給与所得の場合の所得とは収入金額(源泉徴収票の一番左上:通勤費は含みません)ではなく、収入金額から給与所得控除をマイナスした金額になります。

給与所得控除の金額は国税庁HPを参照してください→給与所得控除の額

③ 特定扶養親族や老人扶養親族の場合の特別控除
  • 特定扶養親族(19歳~23歳の学生など):控除額63万円
  • 老人扶養親族(70歳以上):同居の場合、控除額58万円

3. 扶養控除等異動申告書の記入の注意点

① 扶養控除の対象は16歳以上

16歳未満の子どもは扶養控除の対象外です(ただし、児童手当の対象となります)。

16歳未満の欄には記載するのを忘れないでください。住民税の非課税判定に影響が出る可能性があります。

② 控除対象外の条件
  • 扶養親族や配偶者の年間所得が48万円を超える場合。
  • 配偶者が給与収入のみの場合、103万円以上なら配偶者控除は適用されません(配偶者特別控除で対応)。
③ 記入漏れを防ぐ
  • 書類の提出前に、全ての項目が記入されているか確認。
  • マイナンバーの記載が必須なので忘れないよう注意。

4. 提出前にチェック!

  • 記入漏れや誤字がないか?
  • 扶養親族の情報(年齢、収入)が正確か?
  • 必要な証明書(保険料控除証明書など)を揃えているか?

5.扶養控除の種類と控除額

  • 一般扶養控除(16歳以上の扶養親族):38万円
  • 特定扶養控除(19~23歳の学生など):63万円
  • 老人扶養控除(70歳以上の親族):同居の場合58万円、それ以外は48万円

具体例

  • 18歳の高校生の子どもを扶養にしている場合:一般扶養控除38万円
  • 大学生(21歳)で年収50万円の子どもを扶養している場合:特定扶養控除63万円

注意点

  1. 扶養親族の所得条件:所得が48万円以下であること。
  2. 16歳未満の子どもは扶養控除の対象外。ただし、児童手当の対象になります。
  3. 同居していなくても仕送りをしているなど生計が一緒であれば扶養控除の対象になります。

配偶者控除の適用を受けるために確認すべきこと

配偶者控除とは?

配偶者控除は、配偶者の収入が一定以下の場合に、納税者(夫または妻)の所得から控除を受けられる制度です。これにより、所得税や住民税を軽減できます。


控除を受ける条件

  1. 配偶者の年間所得が48万円以下(給与収入の場合、103万円以下)。
  2. 納税者本人の合計所得が1,000万円以下。
  3. 配偶者が納税者と同一生計であること。
  4. 法律上の婚姻関係にあること。

控除額

納税者の合計所得に応じて、以下の控除額が適用されます。

納税者の合計所得金額配偶者控除額(所得税)配偶者控除額(住民税)
900万円以下38万円33万円
900万超~950万円以下26万円22万円
950万超~1,000万円以下13万円11万円

配偶者特別控除との違い

  • 配偶者控除:配偶者の年間所得が48万円以下の場合に適用。
  • 配偶者特別控除:配偶者の年間所得が48万円超~133万円以下の場合に段階的に適用。

  • 配偶者の年収が100万円の場合:配偶者控除38万円が適用。
  • 配偶者の年収が150万円の場合:配偶者特別控除15万円が適用。

配偶者や扶養親族に年金収入がある場合に必要な書類と注意点

  1. 提出書類
    • 年金を年間いくらもらっているかをまず出します。

その後、年金収入から公的年金等控除額を計算します。

※給与収入もある場合は給与所得と合算する必要があります。

  1. 控除額の計算
    公的年金等控除は年齢や年金収入額に応じて異なります。
    • 65歳未満の場合:収入金額70万円以下 → 非課税
    • 65歳以上の場合:収入金額120万円以下 → 非課税

扶養控除

納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。これを扶養控除といいます。

扶養親族の条件

  • 所得48万円以下(給与収入103万円以下)
  • 同居の親族または生計を一にする親族
  • 青色事業専従者給与をもらっている人、白色申告の事業専従者でないこと
  • 扶養控除の金額
  • 控除額は、扶養親族の年齢、同居の有無等により次の表のとおりです。
区分控除額
一般の控除対象扶養親族38万円
特定扶養親族63万円
老人扶養親族同居老親等以外の者48万円
同居老親等58万円
  • (注)同居老親等の「同居」については、病気の治療のため入院していることにより納税者等と別居している場合は、その期間が結果として1年以上といった長期にわたるような場合であっても、同居に該当するものとして取り扱って差し支えありません。ただし、老人ホーム等へ入所している場合には、その老人ホームが居所となり、同居しているとはいえません。

具体例

  • 子どもがアルバイト収入50万円 → 扶養控除対象
  • 子どもがアルバイト収入120万円 → 扶養控除対象外

保険料控除申告書の記載例

保険料控除証明書が必要なケースと提出期限

生命保険料控除の種類と控除額

生命保険料控除には以下の3種類があります。それぞれの控除額は、支払った保険料に応じて計算されます。

  1. 一般生命保険料控除
    • 対象:死亡保険、養老保険など。
    • 控除額:支払保険料に応じて最大4万円
  2. 介護医療保険料控除
    • 対象:医療保険、がん保険、介護保険など。
    • 控除額:支払保険料に応じて最大4万円
  3. 個人年金保険料控除
    • 対象:個人年金保険(契約者と受取人が同一であることなど条件あり)。
    • 控除額:支払保険料に応じて最大4万円

※一般生命保険料と個人年金保険料で旧保険料の場合はそれぞれの上限は5万円になりますが3つ合わせた上限は12万円までになるので注意してください。

具体例

  • 一般生命保険:年間保険料5万円 → 控除額40,000円(上限)
  • 介護医療保険:年間保険料3万円 → 控除額30,000円
  • 個人年金保険:年間保険料8万円 → 控除額40,000円(上限)

提出期限

  • 生命保険会社から送付される控除証明書を会社の締切までに提出。

iDeCo(個人型確定拠出年金)による控除

iDeCoとは?

iDeCoは、自分で積み立てた掛金が全額所得控除になる制度で、老後資金を効率よく準備できるメリットがあります。

控除額

  • 年間掛金の全額が「小規模企業共済等掛金控除」の確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛け金の欄に記載することで所得控除の対象となります。
  • 掛金の上限は、加入者の職業や勤務先の年金制度によって異なります。
加入者区分掛金上限(月額)年間控除額(最大)
自営業者(国民年金第1号)68,000円816,000円
会社員(企業年金なし)23,000円276,000円
公務員(共済年金加入者)12,000円144,000円

必要書類

  • 「小規模企業共済等掛金払込証明書」(10月~11月に送付されます)。

具体例

  • 自営業者の場合、月68,000円を積み立てた場合:年間816,000円の所得控除。
  • 年収500万円の人の場合:所得税率10% → 約81,600円の節税効果。

小規模企業共済による控除

小規模企業共済とは?

小規模企業共済は、個人事業主や小規模企業の役員が引退後の生活資金を積み立てるための制度で、掛金全額が所得控除となります。

控除額

  • 掛金の全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除の対象です。
  • 掛金は月1,000円~70,000円の範囲内で自由に設定可能。
月額掛金年間掛金所得控除額
10,000円120,000円120,000円
50,000円600,000円600,000円
70,000円840,000円840,000円

必要書類

  • 「掛金払込証明書」(共済事務局から10月頃に送付されます)。

具体例

  • 月50,000円を積み立てた場合:年間600,000円の所得控除。
  • 所得税率10% → 約60,000円の節税効果。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)

住宅ローン控除とは?

初年度は確定申告が必要になります。2年目から年末調整の対象となるので注意しましょう・ 

2年目以降(年末調整で申告可能)

2年目以降は、会社での年末調整で住宅ローン控除を受けることができます。以下の書類を会社に提出してください。

必要書類説明
住宅借入金等特別控除申告書(税務署発行)初年度の確定申告後、税務署から送られる控除申告書を使用。
借入金の年末残高証明書金融機関が毎年発行する残高証明書。

住宅借入金等特別控除申告書の書き方

記入の主なポイント

  1. 氏名・住所の確認
    申告者の氏名、住所を正確に記載。
  2. 住宅の情報
    • 住宅の所在地、種類(新築・中古など)を記入。
    • 建築年月日や床面積も記載。
  3. 借入金の情報
    • 金融機関名、借入金額、年末残高を記入。

注意
記入漏れや金額の誤りがあると、控除が適用されない場合があります。


住宅ローン控除の控除額とシミュレーション

控除額の計算方法

  • 控除額は「住宅ローンの年末残高 × 1%」で計算されます。
  • 一般住宅の場合、控除額は最大40万円、認定長期優良住宅の場合は最大50万円

  • 住宅ローン年末残高:¥25,000,000
  • 控除額:¥25,000,000 × 1% = ¥250,000(年間控除額)

住宅ローン控除を申請するメリット

  1. 所得税から直接控除
    • 所得税が控除額を超えた場合、住民税から一部が控除されます(上限¥136,500)。
  2. 長期的な節税効果
    • 控除期間は最長10年間(条件によって13年間に延長可能)。

住宅ローン控除を申告する際には、必要な書類を揃え、正確に申告することが重要です。これを活用することで、長期間にわたる大きな節税効果を得られます。


3. 年末調整の控除を最大限活用!節税できる項目を確認しよう

扶養控除:対象になる扶養親族を正確に申告する方法


控除をフル活用するポイント

  1. 扶養控除:扶養親族の収入や年齢を確認し、正確に申告。
  2. 配偶者控除・配偶者特別控除:配偶者の年収条件を再確認し、適用漏れを防ぐ。
  3. 保険料控除:生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を正しく分類して申告。
  4. iDeCoや小規模企業共済:払込証明書を忘れずに提出。
  5. 住宅ローン控除:年末残高証明書を必ず用意。

節税の具体例まとめ

  • 年収600万円、自営業者がiDeCoで月68,000円を拠出し、小規模企業共済で月30,000円を積み立てた場合:
    → 年間1,176,000円の所得控除。
    → 所得税率20% → 約235,200円の節税効果。
  • 会社員が住宅ローン年末残高2,500万円、配偶者控除(38万円)、生命保険料控除(12万円)を活用した場合:
    → 住宅ローン控除:25万円
    → 所得控除:50万円(配偶者控除+生命保険料控除)
    → 節税効果:約75,000円。

これらの控除を活用することで、年末調整で大幅な節税効果を得ることができます。正確な情報をもとに、忘れずに申告を進めましょう!

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